9月に入りました。
都心から少し離れたところでも、朝夕に秋虫の鳴く声が一段と高くなっています。
ご近所の庭の花も赤や黄色から青、紫系の色に変わり、柿の実の緑も濃くなってきたように感じます。
皆さんの周りの秋は、どんな風に始まっていますか?
先回は、顧客満足は、「本気」が作る、ということについてお話ししました。
今回は、「顧客満足は、感性が作る」についてです。
以前に「地図が読めない女・・・」という本が話題になったことがありました。まさしくその代表というよりも、読まない・・・といった方が確かな友人が、います。
道に迷うまでもなく「ここへ行くには・・」と、先ずたずねるのですね。
自力で目的地にたどり着くということを、放棄しているのではないかとさえ思えます。
が、道を尋ねる相手は、宅配配達の人、郵便屋さん、おまわりさん等々には、聞かないというのだそうです。ほぼ間違いなく教えてくれるので、聞かないのだそうです。少し変ですが、彼女のルールのようです。
「この人は」、と思いを定めた人に聞くのだそうです。
歩いている全体の雰囲気、歩き方、持ち物、服装など諸々で判断するのだそうです。が、確かなものはないようです。ほぼ勘だと思いますが。
しかし、結構成功率は高いらしい。
先日、ある方友人からこんなことを聞きました。
例えばホテルのロビー、コーヒーショップで、前に座った人や一人でいる人を見て、今私の前にいる人はどんな人かと想像をするのだそうです。
年はいくつぐらい、何をしている人か、待ち合わせならどんな人を待っているのか等などを考えるのだそうです。
待ち人想像の結果は、殆ど当たらないそうです。
が、普段使わない思考回路を刺激する楽しさがあり、結構集中力が高められるといいます。
この二人の友人に共通するのは、自分のいつも使っていない思考回路なり脳を使い「人を見る」ということ「想像をする」ということです。
これは私の話し。
道に迷い、人に聞かなくては仕事に遅れてしまうという状況になってしまいました。
人気のないビル街、Y宅配会社のユニフォームが見えました。
うわ?助かった!という心境です。
もちろん親切に、右に曲がり一つ目の信号を・・・と教えてくれました。
そして最後に一言
・・・・「いってらっしゃい」・・・・・
これには、ドキッとしましたね。かつて道を尋ねて、これほどはっきりと感動をしたことはありませんでした。
Y宅配会社が、配達中に道を聞かれることは、どのようなつながりのお客様であるかも知れない、あるいは潜在顧客が顕在顧客になるチャンスであるという認識を高めていたとしても、その人を想像し「いってらっしゃい」といえる感性に脱帽である。
記録としてだけではなく映像の記憶として、この感動は、心に残りました。
顧客満足は、高めようとして高められるものではない、作ろうとして作れるものではない、そこに関わる人の感性が作っていくものでもあります。