Part5では、クレームの元にある感情は「怒り」である。
現実に受けたサービス(体験)と事前に期待していることとの差(ギャップ)によって生み出されるということ。
また、クレームの中身をみていくと、商品などの破損や汚損、企業側の明らかな手違いなど事実関係が比較的明らかなものと、応対態度や感じが悪い、もう少し親切にしてよなど主観的要素が入りやすい事柄や状況にたいするものがある。そして前者は表面化するが、後者は、表面化しにくい。そして、表面化しないクレームは、悪評の口コミとなり伝言ゲームのように伝えられて行く、また何かの機会(例えば、同じような経験を誰かが話している)を起爆剤に、今度は尾ひれがついているという経験は、1度や2度はありますね。
今回は、Part6では、この起こってしまったクレームにどのように対応するか、ということについて考えていきます。
では、先ず皆さん、イメージをしてください。
お客様が、皆さんの目の前で、
あるいは電話線の向こうで怒りをあらわにしている様子です。
この情景を頭の中で再現してください。
さぁ、皆さんならどうしますか。
先ず、どのような行動をとりますか? 第一声をだしますか?
1) 黙って聞き、暫く様子を窺う。
2) いかがなさいましたか?と先手で伺う姿勢を伝える。
2)が、この状況の対応としては、ふさわしいでしょう。
1)でも間違いではありません。しかし、聞いています、理解しようとしていますという反応の姿勢(例えば、うなづき、相づち、復唱等)を伝え、お客様に安心感を感じていただく行動が必要です。
クレームだ!と構えてはいけません。ましてクレームを受けて立とうという姿勢は、禁物です。
クレームという事象を通してお客様とのコミュニケーションが始まるのです。
また、「クレーム」と聞くと文句を言っていると思う視点を、お客様が自分の
意見を伝えているという視点で考えるといかがでしょう。
消費者、お客様は意見を聞いてもらう権利があるという視点にシフトする。
応対のポイント その1
お客様が何を言おうとしているのか、しっかりと聞くことから始める。
*話を聞いたことをそのままにして自分の言い分、会社の言い分を伝えていませんか?
お客様の立場や状況を考えて見ましょう。
・ ・・困っている自分の立場を分かってほしいいと思いませんか?
実はここが味噌です。
相手の困った立場をなかなか感じたり、伝えたりすることを省略しているのです私たちは。
これでは、コミュニケーションが成り立ちません。一方通行です。投げられたボールは、受けなくてはいけません。
応対のポイント その2
困っている状況や立場を理解しているという一言・・・お困りですね、大変ですね
・・・を添えましょう。
この後は、お客様の状況確認、事実確認の照らし合わせを行っていきます。
応対のポイント その3
あくまでもお伺いをするという姿勢。ご理解いただこうという姿勢。
お客様が間違っているのではないか、私たちに非はないといった態度や言葉使いや話し方は、クレームをさらにこじらせます。
ここから終結に向けていきます。
応対のポイント その4
お客様との合意点を双方で考え、解決に向ける。
解決のアイデアー、提案策を日ごろから蓄えておくことが必要です。
ここで、企業がクレームとどう取り組んできたかが、問われますね。
お客様と合意点を見出すことができました。
これで終わり、そうではありません。応対の締めが必要ようです。
クレームは「氷山の一角」、貴重なものです。
応対のポイント その5
わざわざ申し出てくださったことへの感謝の気持ちを伝え、お客様心理を満たします。「貴重なご意見ありがとうございました」等
クレームは、ないに越したことはありません。が、どんなに注意を払っていても、起こるのもまた事実です。
お客様との信頼関係を築き上げる大きなチャンスと捉える視点にシフト。
クレームから学ぶべきもの、宝の山が眠っている。
お客様の気持ちを感じ、表現することから、クレーム応対はスタートする。
*次回Part7では、コミュニケーション力の中でも「リーダーシップ」について考えます。
*ホームワーク:
・ あなたの周りに、あの人のようになりたいリーダーは、いますか?
・ その人は、誰ですか?
・ あなたは、その人の何が自分にもあればいいと思いますか?