旅の空から。京都河原町 コラボの進化系 ホテルと・・・。
どれくらいぶりに飛行機に乗ったでしょうか。2年、3年ぶり?
機内への搭乗が、実にスムース、短時間でした。それもそのはず、各列に1人程の乗客。ざっと半分にも満たない150人程度でしょうか。航空業界の厳しい現状です。
乗務員の機内アナウンスの英語での呼びかけ方が変わっていました。 今迄気づいていませんでした。
Ladies and Gentlemen~ が Everyone~やAll passengers~ の呼びかけから始まっていました。ジェンダーの流れに対応したものでしょう。言葉選びも時代とともに変わっていきます。
京都の最も賑やかな通り四条河原町から河原町、かなりの人出に見えましたが、まだまだだと阪急河原町駅からわずかなところにあるこのホテルスのタッフは言っています。
実は、このホテル、昨年9月にオープンしました。行きたいと思っていたところでした。
500年以上の歴史を持つ浄土宗浄教寺と三井ガーデンホテルが一体開発されたものであり、お寺さんとホテルの異業種コラボレーションは全国的にもかなり珍しいものだそうです。
お寺さんとホテルのコラボレーション感を高める二つの大きな特徴があります。
一つは、浄教寺の伽藍にあった歴史的保管物の木鼻(*)や古木や金屏風等がホテルフロントやロビーなどの設えに使われ、アート的センスと重厚感を生み出していました。客室案内の六角照明灯にも趣がありました。木鼻は、文政13年(1830)小川小兵衛(大工棟梁)作だそうです。
もう一つは、お寺の朝のお勤めに希望をすれば参加できるというものです。本堂の中で異次元の空気と静寂と読経の声を感じることができると想像します。次回は、参加しようと思います。
時の流れや世の移り変わりを肌身で感じる真っ只中にいる私たちは、人を感じ想い、古いものやその文化を、捉え方を、交流させながら発展させていかなければならないでしょう。
新たなものを生み出す発想力を鍛え、力を蓄え、創造していくことが求められていると感じた三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺でした。
(*)木鼻(カナメの社寺建築豆知識より)
柱を貫通する【頭貫(かしらぬき)】・【肘木(ひじき)】・【虹梁(こうりょう)】の柱から突き出た部分の名称です。
名称の由来は、「木の端→木端」から漢字が変わり「木鼻」と呼ばれるようになりました。
もとは頭貫や肘木、虹梁の柱から飛び出る部分を直接加工していましたが、江戸時代以降、装飾目的が強くなるにつれ、頭貫や肘木、虹梁とは分けて、独立した部品とすることが主流となりました。これらは柱に引っかけて固定する事から、掛鼻(かけはな)とも呼ばれます。
(撮影 青柳教恵)