もの想う秋を通り越して見たもの。
郵便配達のバイク、荷台にメッセージ。「年賀葉書予約受付中」。
老舗料亭ホームページの新着情報。「お節、承ります」。
文具店の2011年カレンダー・手帳を手に取る人。
デパートのお歳暮案内は、まだ見ません、ほっとします。
秋を通り越してお正月が来るかもしれないわねと猛暑の夏に笑っていたのが、まんざら戯言ではないようです。
街を歩く女子たちの足には、ブーツのファーがフラフラ、フラ、季節なんて関係ないわ。私が大事。
季節の境目は、しばし揺蕩(たゆた)う時間。
ビジネス書を遠ざけエディット・ピアフの枯葉等を危機ながら、幸田文「台所のおと」などを読み五感を研ぎ澄ませてみたい。
どこからか金木犀の香りが漏れてくるようなシチュエーショがあればなお申し分ない。
秋は逃さないように、歩を緩めて進んでいきませんか。
michi-e Aoyagi 2010.10.4