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Part114 会話の力・・・それは気分を動かすチカラ ・・・ 「高級でなく上質である」

IT時代を生き抜くヒューマンコミュニケーション術
コミュニケーションの“量と質”が顧客満足を“左右”する。
顧客満足は、“顧客のドラマ”を作ることである。

 Part114 会話の力・・・それは気分を動かすチカラ ・・・ 「高級でなく上質である」

 

 

料理人がお客さまからいただく最高のほめ言葉とは。

初めてこの店を教えてくれたときの友人は、国鉄の…あーなんて古いんや、今のひとわからへんな、ついでに人間も古いからねと冗談交じりでJR元町の…とあわてて言い直しています。
 神戸高架下商店街(JR・阪神元町駅と神戸駅間の高架下に運営されている商店街です。
雑多でマニアックな店のオンパレードです。店番のおばちゃんが太っていたら、商品に体が触れるとそのまま崩れ落ちそうな印象の店が軒を連ねているところです。しかし、阪神・淡路大震災では被害が少なく、いち早く復興に立ち上がったと聞いています)の近くにその店はあります。

 店を示す看板が商店街の軒に掲げられていますが、篆刻(てんこく)文字でかかれた店名が分かる人は、そういないはずです。アルファベットで読みが添えられているからこそ私もこう読むのだと分かりました。しかし不思議なことに看板の下に店の扉はありません。実は地下への狭い階段を下りたところにあります。
 そこは、カウンターに6人が座れるだけの店です。高架下のおばちゃんではありませんが、席を移動するとき(たとえばトイレに行きたいとき)にはお客さんの協力が不可欠なくらいの広さです。 

 

店には、料理をする女性店主ひとりです。いつもながらの身づくろいに店主の姿勢がうかがえます。
自分で買出しに行き2時ぐらいから仕込むという大皿に盛られた料理。旬の素材が並んでいます。焼き茄子は白だしに半浸しにしてあります。セロリーやきゅうり、ナス、茗荷などの夏野菜のさっぱり漬け、鯵の南蛮漬け、かぼちゃの煮たものなど家庭の惣菜が並びます。関西ではこの時期に鱧は欠かせません。鱧は湯引きとよく聞きますが、ここでは火でさっとあぶると味が増すと店主はいいます。(決してガスバーナーで表面を焼くお手軽ではありません)これに梅酢、わさびは絶品です。

 

 篆刻文字を読み当てた人生の先輩が、ここの料理を頂いて
「高級ではなく上質である」と評した。
それを聞いた店主、黙って頭を下げています。 

 

 丁寧に素材を選び、丁寧に下ごしらえをし、丁寧にだしをとり、丁寧に調理をしているといいます。こんなことを料理人は口にしませんが、お客様から言われたことが何よりうれしく、つい口に出たのでしょう。

 

私たちは仕事などその結果をほめることはありますが、そのプロセスに視点を当てほめることは少ないものです。結果を出して当たりまえの感覚に支配されていますから。

 

ここの店主は板前の修業をしたことはないとかつて言っていました。
敢えてまた聞くと料理屋さんや料亭に食べに行くと教えてくれました。名だたる店の名が出ます。勉強しにいくといいます。そこでいろいろと素材や調味料、調理法をうかがうのだそうです。板前さんたちは親切に教えてくれるといいます。

 それを店主流の素材と味付けで再現していくのだと思います。

「高級ではなく上質である」今風に言えばこのオーナーシェフにとってこの言葉は、どんな「おいしい」の言葉より心に響いたのではないでしょうか。

できあがった料理をほめられることは多くあるでしょう。
しかし、そのプロセスをどのように扱っているかに心を通わせ、この料理人の仕事の哲学とも言えるものに視点をあてた言葉は、これからも何よりの行動の原動力であるはずだと思います。

私自身も「上質な仕事」とは、またそれができているかを考えるきっかけとなる言葉でした。

Cs-eye 顧客満足実践塾  青柳教恵
 

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青柳教恵(あおやぎ みちえ)

国家資格キャリアコンサルタント
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